こんにちは。
yasuko.です。
引き寄せ上手になるために知っておきたい「脳の仕組み」シリーズ。
- ニューロン
- 神経伝達物質
- 右脳と左脳
- 網様体賦活系-RAS
- 線条体
- 海馬
- 脳波
- 扁桃体
今回はいよいよ最終回。
「扁桃体（へんとうたい）」です。
扁桃体という言葉も、ちょっと聞きなれないですよね。
実は、感情と記憶に深いつながりがあります。
記憶された感情は潜在意識に刻まれます。
そして感情は、私たちの人生に大きな影響を与えます。
感情が人生を創るというお話をしました。
特に理由もなく湧き上がってくる感情は、潜在意識からの感情です。
扁桃体を知ることで
- 潜在意識から湧き上がる感情はどのようにして生まれるのか
- 引き寄せ上手になるための扁桃体との付き合い方
について、おわかりいただけると思います。
では、今日も少しお付き合いくださると嬉しいです。
扁桃体～潜在意識に感情が記憶される
感情を司る場所
扁桃体は大脳辺縁系（だいのうへんえんけい）というところにあります
大脳辺縁系とは原始的な脳といわれていて、人間の本能的な行動や欲求、感情、記憶、嗅覚などを担当しています。
※ちなみに、記憶に関わる記事でお話しした海馬も大脳辺縁系にあります。
扁桃体は左右の海馬のそばにひとつずつあります。
アーモンド（和名：扁桃）のような形をしていることが名前の由来とされています。
快・不快を判断し、喜怒哀楽の感情を司ります。
左脳側で「あなたが好きです」と言葉を使って感情を刺激し、右脳側では「好きかもしれない」という漠然とした感情が刺激されます。
左脳は論理的で言葉で考える脳、右脳は感覚的で言葉で考えない脳でしたね。
病気などによって扁桃体の働きが低下すると、相手の表情から感情が読み取れなくなるといわれています。
そんな感情を司る大切な脳の仕組み「扁桃体」を今回お話ししていきます。
感情の種類
感情には、様々なものがありますよね。
大雑把に言うと、ポジティブな感情やネガティブな感情。
脳の働きによって分けることもできます。
- 生命を維持させるための食欲や性欲、快感や怖れといった本能的な快・不快
- 何かの理由付けによる、好き・嫌い、喜びや悲しみ、怒りなど
また、感情の動きのことを情動といいます。
感情はその人がもつ記憶に左右されます。
感情が生まれる仕組み
では、どのように感情が生まれるのでしょうか。
見たり聞いたりした情報が感覚器官から扁桃体に集められます。
扁桃体は人が生存するための情報を瞬時に処理する役割があります。
その情報と海馬の記録とを照らし合わせて、どのような感情（情動）を生むべきかを判断します。
その情報が“味方”であれば「快」を感じて喜びが生まれます。
その情報が“敵”であれば「不快」を感じて不安や恐怖、怒りが生まれます。
楽しいことであれば自然と笑顔になりますし、驚くと咄嗟に体が反応して逃げようとしますよね。
扁桃体で生まれた本能的な感情が大脳皮質に送られ、価値観や美意識に基づく理性的な判断が加えられて、最終的な好き・嫌いの感情が生まれます。
「生理的に好きになれない」とか「なんとなく嫌い」といったことはないですか？
こういった言葉で説明できない漠然とした感情は扁桃体の働きによるものです。
「優しいから好き」「スポーツ万能だからカッコいい」という場合。
これは理由を言葉で表すことができる、大脳皮質で考えた感情です。
原始的な脳（大脳辺縁系）にある扁桃体で生まれた感情が、知的な脳（大脳皮質）に送られることで具体的な感情になるのですね。
感情が記憶される
なんとなく湧き上がる感情には、関係している記憶があります。
条件付け記憶というものです。
これは、ある物事に対して無意識に現れる特定の感情や体が反応してしまう記憶です。
無意識に記憶されているため、記憶したことは覚えていません。
このときの感情は扁桃体に記憶されます。
身近な例では、レモンを思い浮かべると酸っぱい表情とともに唾液が出ますよね。
「レモン=すっぱい」というように、物事と反応がセットになっているのです。
条件反射ですね。
乳児に白いウサギのぬいぐるみを見せながら大きな音を鳴らすという実験では、白いウサギのぬいぐるみには怖がって近寄らなくなりました。
ウサギのぬいぐるみだけでなく、白いもの全般に対しても嫌いになってしまったそうです。
特に、脳がまだ未熟な乳幼児期の記憶は、大人になっても影響を受け続けます。
「なぜだかわからないけど苦手」といった理由が説明できない感情は、自分の知らないところで記憶されているものかもしれません。
扁桃体に記憶された感情は潜在意識に刻まれます。
潜在意識に刻まれた感情は、人生に大きな影響を与えます。
引き寄せの法則と扁桃体
不安との付き合い方
上手く引き寄せられないと、だんだんと焦りがでてくるものです。
「本当に大丈夫なのだろうか」
「ちゃんと引き寄せられるのだろうか」
「もしかしたら、このまま一生変わらない人生を送るんじゃないだろうか」
考え始めると、どんどん不安も増してきます。
この不安感情は扁桃体が興奮している状態です。
興奮がもっと高まると恐怖になります。
人間の本能的な脳の働きです。
でも、不安でばかりいると望む現実は引き寄せられません。
いつも思っていること、感じている感情が現実として引き寄せられるのが引き寄せの法則。
不安に陥ってしまった時には、その不安を客観的に言葉に出すと良いです。
「そうか、自分は引き寄せられないかもと思って不安なんだ」
「本当に大丈夫か心配してるんだ」
つぶやきながら、不安を紙に書きだすのも効果的です。
扁桃体は言語情報が入ると興奮が落ち着いてくるといわれています。
先ほど、扁桃体で生まれた本能的な感情が大脳皮質に送られるとお伝えしました。
扁桃体の瞬間的な判断（感情）を大脳皮質がチェックしてコントロールするという仕組みがあります。
大脳皮質は言語脳ともいわれています。本能を理性で抑えてくれるのです。
「快・不快」「好き・嫌い」といった本能的な感情をつくる扁桃体。
できるなら、いつも楽しく嬉しい快感情でいるほうが、その感情を味わえる素敵なことが引き寄せられます。
好きな香りで引き寄せる
心地よい気分でいることが上手に引き寄せる基本です。
そのために、匂いの効果を使うのもおすすめ。
突然ですが、匂いで感情が湧いてくることってありませんか。
ある匂いを嗅ぐと懐かしい感情になったり、特定の場所を思い出したり、特定の人を思い出すなど。
これは、プルースト効果といいます。
特定の匂いが、それに結びつく感情や記憶を呼び起こす現象です。
五感の中で、視覚や聴覚情報は大脳に届くまでにいろいろな部位を経由します。
ですが、嗅覚情報だけは直接大脳に届き海馬や扁桃体を活性化します。
特に扁桃体は、嗅球という匂いの情報処理を行う組織と直接つながっています。
嗅覚が感情と深い関係にあることがよくわかりますよね。
コーヒーの香りにリラックスしたり、アロマテラピーで癒されたり。
不快感情が湧いてきたら、好きな香りを嗅ぐことで気持ちをリフレッシュしましょう。
また、願望が叶った様子をイメージしながら香りを嗅ぐと、その香りとともにイメージも潜在意識に刻まれやすくなります。
もちろん、ワクワクしながら楽しんでイメージすることが大事です。
脳波のθ波（シータ波）の時にイメージすると潜在意識に刻まれやすいとお話ししました。
寝室にその香りを置いておくのもおすすめです。
まとめ
扁桃体に記憶された感情は潜在意識に刻まれます。
潜在意識に刻まれた感情は、人生に大きな影響を与えます。
普段の生活の中で感情に意識を向けることによって、ご自身の潜在意識からの声をキャッチすることができます。
本当に望む人生とはどんな人生なのか。
心から叶えたい願いとは何なのか。
引き寄せの法則で最も大切なのは、感情です。
自分の感情が現実を創ります。
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
素敵な一日をお過ごしください。
※この記事は下記の書籍も参考にさせていただいています。私自身の解釈をお伝えした記事であり、書籍の内容とは一部異なります。
【参考書籍】
・「運動・からだ図解 脳・神経のしくみ」マイナビ出版
・「眠れなくなるほど面白い脳の話」茂木健一郎（著）日本文芸社
・「脳には妙なクセがある」池谷裕二（著）扶桑社
・「美しい脳図鑑」木村泰子（著）笠倉出版社
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